このストレス社会の中で、如何にヲタクでいられるか

女としてだけでなく、人間としてすら腐ってきた感じがする者の日記です。

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2008.05.27

盗賊と冒険者

久々に小話。

グレイの盗賊考察その1。






「……」
ジャミルの観察は続いていた。それも脱衣室に入った時から。
「…なんだ」
多量の髪を束ねることもなく共用の浴槽に入る冒険仲間の,風呂場での第一声が
それだった。不意を突かれてジャミルは直ぐに反応出来なかった。
「ん…?!あぁ、…いや悪ぃ。ちょっとな。」
彼―グレイは何を考えているかその表情からは判別が難しい男だった。密なる観察がいつの間にかばれていたのは動揺するより他ないが顔に出して自分の立場が良くなるとは思えなかった。
ただ観察がばれていたのであれば話しは早かった。
「なぁ、グレイの髪ってなんでそんな色なんだ?」
「聞いてどうする」
驚くほどの即答だった。だがジャミルもそんなことは承知の上だった。
「いや、これといって意味はないけどな。」「なら答える必要もないだろう」
きつい印章を与えがちなグレイの物言いを当たり障りなく受け返すとグレイは間髪いれずに突き放した。
「………なら、一つ聞きたいんだけどよ」
「なんだっ」
冷静沈着の低い声に苛立ちが現れ始めた。意外にも短気なのかもしれない。呑気にそんな事を考えながら続けた。
「…白髪じゃ」
「違う!」
続きも聞かぬうちにばっさりと切り捨てられジャミルは面食らうどころか安堵すら見せた。
「あぁ、だよなー!よかったー。そんじゃお先に。」
「…」
呆れて何か言い返そうとする前にジャミルは湯舟を出ていってしまった。
骨格の浮き出たその細い背中を眺めてグレイは溜息をついた。
(もっと肉を付けるべきだな…。)
遠目でこちらの様子を伺いながら頭を洗っていた子分に冷水のシャワーを浴びせ、ひとしきりからかった後ジャミルはそのまま浴室を出ていった。温かいシャワーで身体を温め直すと、情けない声を上げながらその細い背中を追い掛けていった。


****

…グレジャミというわけでなく、グレイとジャミル。
面の皮が厚いもの同士って感じ。
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